≪ 補足_MOドライブの「設定チェック」と「CPU負荷低減」.sy3 ≫ この文書は「本処置の実行」を行なった後でお読み下さい。 実践_1_基本概念と心構え.sy3 の中で、   MOドライブに対しては、Win98が設定を間違えやすく、  その原因として  Win98は「MOドライブ」という物について「デバイスカテゴリ」を持っていない事  を説明しました。 この延長線での付加説明です。 1.「MOドライブ」についての設定は、  MOのメーカーに「そのドライブにふさわしい設定」を聞いて下さい。 2.その上で、  「MOメディアへの書き込みパフォーマンス」ではなく、  「MOアクセス時のCPU負荷」を低減する方向で考えた方が良い---と感じます。 そのためには、  第1に、  「同期データ転送」は「No」に設定した方が「CPUパワーを無駄に消費しない」  スタイルとなります。  「デバイスマネージャ-->ディスクドライブ-->MO-->設定タブ」と入って、  「同期データ転送」のチェックを外します。 これがどういう意味で、どういう効果があるのか----ですが、 具体的に私が検証した例で説明します。 この具体例の場合は、通常よりも効果が顕著に出ます。 【検証を行なった時のハードウェア状況】 CPU Pentium 200MHz(MMX) MOドライブはSCSI接続。 SCSIカードはPCI版(32bit版)、FastSCSIスピード(10MB)、SCSI2プロトコル。         バスマスタタイプ。 MOドライブは旧型タイプ  (230MBのノーマルメディアのみ対応。転送レート=1MB/s程度) 該当するSCSIカードにはMOとCDドライブのみ接続。 [1]  下記の[5]で説明する性能テストをまず行なって、 MOドライブの「アクセスランプ」の点滅スピードを視覚的にチェックします。 済んだら、MOメディアを抜いてDos窓も閉じます。 [2]  まず、デバイスマネージャで「同期データ転送」は「No」に設定します。 (他の設定は変更しません) PCを再起動します。 【SCSIカードのBIOS設定】でも MOドライブのデータ転送設定を「非同期」に設定します。 再起動して"Command Prompt Only" でいったん止めて PCの電源を切ります。 PCの電源を入れてWindowsを起動します。 全ての通常アプリケーションやエクスプローラ等は起動しません。 [3]  デバイスマネージャでの操作。 この[3]での操作は、該当するSCSIカードに HDDと「非同期転送のMO」の両方が 接続されている時だけ意味を持ちます。   ※また、"複数のセグメント" を持つSCSIカードの場合で、この両者のデバイスが    "複数のセグメント" に分けて接続してある場合は 意味が無いかも知れません。  デバイスマネージャで「種類別に表示」となっている事を確認します。 デバイスカテゴリの「SCSIコントローラ」の配下を開きます。 「MOドライブが接続されたSCSIカード」をクリック(押す)します。 「更新ボタン」を押して、暫く待ちます(ウエイトカーソルが通常の物に戻るまで)。 次に、 デバイスマネージャでのツリーを上に昇って「コンピュータ」をクリック(押す)します。 「更新ボタン」を押して、暫く待ちます(ウエイトカーソルが通常の物に戻るまで)。 OKボタンを押します。 [4] 全てのウィンドウを閉じて PCを再起動します。 これだけです。 こうしますと、Windowsの内部認識で  SCSIカード設定が「MOの非同期転送」と「HDDの同期転送」の両方に都合が 良い状態になります。 ([3]での操作が意味を持っていて、「更新ボタン」作業を行なった場合) 具体的には、 レジストリ中に 幽霊のような「ダミーデバイス」が生成されます。 ([3]での操作が意味を持っていて、「更新ボタン」作業を行なった場合) この「ダミーデバイス」は、セーフモードのデバイスマネージャで見る事が出来ます。 デバイスのネーミングは「左右逆の斜め線」という感じです。削除してはいけません。  どういう事かというと、 Windowsは、 SCSIカード接続のデバイスで初期設定としての「同期転送のデバイス」が欲しい のです。 (これはWindowsの「都合」です。)   ※MOを「同期転送」に設定している時は上記の操作を行なっても無意味です。 「ダミーデバイス」に該当するレジストリを見ますと、意味の無いドライブ名が設定 されています。そして、「同期転送」に設定されています。 [5] ここまでやったら、次は 性能(パフォーマンス)テストです。 MS-DOSプロンプト(Dos窓)を1つ起動します。 MOドライブに適当なブランクメディア(フォーマット済)を入れて2〜3分かかる 書き込みを行ないます。 書き込みを行なわれている最中に、Dos窓をマウスで「グルグル」と激しく動かします。 この時のMOドライブの「アクセスランプ」の点滅スピードを視覚的にチェックします。  [1]で行なった時の「アクセスランプ」の点滅スピード(同期転送)と比べますと、 そのスピードが2〜3倍くらいになっています。  ※マシンスペックや「ディスプレィがPCIかAGPか」によって、   その違いの程度は異なるハズです。 これはどういう事か、、、。 「同期転送に適さないデバイス」を同期転送に設定していると「CPUパワー」が 無駄に消費されて、OSに余裕が無くなる----という事です。 ※「同期転送」というのは、ハードウェアに依存した転送方式です。  そして、決められた時間に決められた分量のデータが転送されるのが建前です。  A社とB社が取引関係にあって、1時間に1回、決められた時刻に、A社からB社に 品物が(所定の場所に)届けられる約束になっているとします。 これが「同期転送」です。 ところが、A社は、実は3時間に1回程度(不定期)届けるだけの生産能力しか 無かったらどうなりますか? B社の担当者は頻繁に窓口にチェックしに行く事になります。 B社の社長(OS)や部長(I/Oマネージャ)は「同期転送」のつもりで 全社的に事を運んでいます。 当然、社内はい〜っつも無駄な「連絡確認」をせざるを得ない状況になります。 つまり、「余裕が無い状態」です。 「非同期転送」とは、「所定の分量」が生産できたら、所定の場所に「出来ました」と 報告する方式です。 MOドライブというのは、元来、転送レートが低く、かつ「同期転送」に向かない デバイスです。 これ以上の説明は不要でしょう。 マシンスペックが高性能の場合や、最新型MOの場合は、「同期転送」でも大丈夫です。  (最近のマシンでは「同期転送」に設定した方がMOデータ転送は高速です) しかし、いずれにせよ、「CPUパワー」が無駄に消費される事に違いありません。  (MOとHDDが同一SCSIカードに接続されていても) どちらの設定が「マルチタスクOS」にふさわしい設定であり、 どちらの設定が「安定してWin98を運用する」目的にふさわしい設定であるか、 ユーザー様ご自身の状況によってご判断下さい。